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カカオとスイーツ

ヨーロッパ:チョコレート飲料の流行とカフェ文化の始まり


1600年代のヨーロッパでは、新世界から伝わったチョコレート飲料が流行し、カフェやチョコレートハウスの文化が広がりました。
特にスペインを経由して伝わったこの飲料は、上流階級の間で大きな人気を集めました。

チョコレート飲料の流行

チョコレート飲料は、16世紀後半にスペインで最初に受け入れられた後、17世紀を通じてヨーロッパ全域に広がりました。

この飲み物は、カカオ豆を基にした豊かな風味と濃厚なテクスチャーが特徴で、スパイスや砂糖を加えて味わい深く調理されていました。

チョコレート飲料は、その新奇性と贅沢さから、すぐに社交の場や上流社会での嗜好品として人気を集めました。

また、当時としては希少な甘味と、健康や精神状態への良い影響が信じられていたことも人気の一因です。

カフェとチョコレートハウスの出現

  • チョコレートハウス

チョコレート飲料の人気に伴い、特に17世紀のイギリスやフランスでは「チョコレートハウス」と呼ばれる施設が登場しました。

これらは社交の場として、また政治やビジネスの議論が行われる場所としても機能しました。

  • カフェ文化

同時期には、コーヒーや紅茶と共にチョコレート飲料を提供するカフェも登場し始めます。

これらのカフェはヨーロッパ各地で社会的な集会の場となり、知識人や文化人が集う場所として知られるようになりました。

1600年代のカフェ文化で提供されるチョコレートは、現代のものとはかなり異なる特徴を持っていました。

  • 特徴と製法

この時代のチョコレート飲料は濃厚でしっかりした食感が特徴で、細かく砕いたカカオ豆を水やミルクと混ぜて煮込んで作られていました。

バニラやシナモン、ナツメグといったスパイスが豊富に使われ、チョコレートの風味を引き立てると同時に独特の香りを加えていました。

初期のチョコレート飲料は苦味が強かったため、ハチミツや砂糖で甘みを加え、幅広い層に受け入れられる味わいにしていました。

1600年代スタイル チョコレート飲料の再現レシピ

材料
  • ダークチョコレート(70%以上のカカオ含有量) - 100g
  • 水 - 500ml(よりクリーミーな飲み物を好む場合は牛乳またはアーモンドミルク)*1
  • 砂糖 - 大さじ2(お好みで調整)
  • シナモンスティック - 1本
  • カイエンペッパー - ひとつまみ*2
  • バニラエキス - 小さじ1

作り方
  1. 中火で鍋を温め、水(または牛乳/アーモンドミルク)を注ぎます。
  2. シナモンスティックとカイエンペッパーを加え、香りが出るまで温めます。
  3. ダークチョコレートを細かく刻み、鍋に加えます。
  4. チョコレートが完全に溶けるまで、弱火でかき混ぜ続けます。
  5. 砂糖とバニラエキスを加え、お好みの甘さに調整します。
  6. 全ての材料がよく混ざったら、火から下ろし、カイエンペッパーの辛さを調整します。
  7. シナモンスティックを取り除き、カップに注ぎます。

終わりに

1600年代のヨーロッパにおけるチョコレート飲料の流行は、飲み物としてのチョコレートの地位を確立するだけでなく、カフェやチョコレートハウスという新しい社会的空間の創出にも寄与しました。
これらの場所は、食文化だけでなく、社会文化の発展にも大きく影響を与え、現代に至るまでカフェ文化の基盤を築いたと言えるでしょう。
チョコレートがヨーロッパの社会にもたらした影響は計り知れず、その歴史は今日の私たちにも深く関わっています。

*1:当時は牛乳よりも水で作ることが一般的でした

*2:当時のヨーロッパ人は新世界から来たスパイスを好んで使用していました